県議会一般質問
平成15年6月定例会
質問:馬場せいし
皆さんおはようございます。熊本市選出・自由民主党の馬場でございます。
今回は、改選後初の定例会に登壇の機会をいただきまして、先輩並びに同僚議員の皆様方に心から感謝を申し上げながら質問に入らせていただきたいと思います。
私は、政令市の問題にこれまでずっと取り組まさせてきていただいておったわけでありますけれども、政令市の問題は、本来の順序であれば、市町村の自主的判断、そして段階を経て合併、それから政令市というような順序で進むわけでありますけれども、もうこれまでたくさんの周辺の町との可能性を秘めてきておった時期は通り過ぎまして、もう際々の段階まで参りました。あとは益城町の住民投票を待つのみということになりました。
この時期に来て、今どういう話があっているかといったときに、実は私は、三月二十三日、自分の選挙の前でありましたけれども、植木町と西合志町の住民投票がございました。もちろん私は、選挙の真っ最中でありましたけれども、私は、熊本市の選挙がどうだったかということは横に置かせていただきまして、自分が当選することよりもこの問題の方が大きいんだというようなことを、県政報告の中でずっと訴えさせていただいておりました。
その中で、やはりどんな機会にも、植木町の方、そして西合志町の方が、そのグループの中におられて、そこで大変な議論をさせていただいたというのが、これまでの選挙戦の中で大変苦労したところでありますが、ただ、その中で感じましたことは、合併問題が感情論で進められてきておったということであります。
これは、私も合併自体考えればそうであるというふうに思います。益城町の方に合併してくださいと言っても、合併させられると思われる側はいい気持ちがするはずはないんです。
しかし、今回の問題は、熊本市が、ただ単に六十六万が七十万になるとか、七十五万になるとか、そういう問題ではなくて、熊本県内に政令市ができるかできぬかと、そういった問題であるということを認識された上で、その上での住民投票あるいは議会での判断ということであれば、これは仕方ないと思うんです。
しかし、まだそういったところまで議論がいってないままに、この問題が通り過ぎてしまって終わってしまったら、これは残念なことだというような思いから、一生懸命取り組まさせていただいておるわけであります。
実を言うと、私が住んでおります小山というところは、昭和四十五年の熊本市合併であります。これは合併の問題とはちょっと違うわけでありますが、その当時、昭和四十五年というのは、都市計画の線引きというものがありました。そして、その当時、初の線引きでありますから、どの辺まで市街化にするか、どこから調整区域になるかということは、地元に大変いろんな意見の聴取があったわけであります。何回かそういう機会がありました。
そして、自分のところは市街化に入ろう、自分のところは少し税金が上がるからとか、その当時はまだ農業で家計を立てていこうというような気持ちがたくさんの方があられましたので、農地を農地のままやっていきたいというような思い、いろんな思いがあったと思いますけれども、一番単純な話でいくと、小山、戸島まで宅地が広がろうかいと、まだ保田窪も畑ばいというような話の中で、うちは少し税金が上がらぬところの方がいいということで調整区域を選ばれた方がたくさんいらっしゃいます。そういった中では、たった十年も立たぬうちに、昭和五十年にはもう小山、戸島も家ばかりになってしもたっですよ。そのときに、この都市計画の話と今度の話が一緒ということではありません。
ただ、そのときに、行政は、こうなりますよという期待論は話せなかったわけです。ただ都市計画区域になったら家は建つ、都市計画区域以外だったら、調整区域は農地を保全するところですよと、そういったやっぱり行政的な説明だけで終わってしまった。ですから、あと、それはきちっとした情報提供がなかったと言われても公の方は困ると言われるでしょうけれども、住民側からすれば、これは大きな問題なのであります。
ですから、きょうはあえて合併論ではなくて、県にとって政令市が必要であるか必要でないか、そういった観点から質問をさせていただきたいというふうに思っております。
少し長くなりましたが、それでは入らせていただきますが、私はもともと、九州の中心に位置し、人口六十六万人を数える全国屈指の大都市である熊本市が、このまま中核市として甘んじてよいのか、大きな疑問を持っていました。
日本の国土政策から見ても、また九州全体の発展から考えても、明治以来政府の出先機関、軍機能、高等教育機関等が集中していた九州の拠点都市としての歴史をひもとくまでもなく、九州のど真ん中に、もう一つ中心となる政令市がぜひとも必要であります。このまま福岡一極集中を看過することは嘆かわしい限りであり、熊本県も一緒になって、政令市を目指して戦略的な行動を起こすべきではないかと、機会あるごとに訴えてきたところであります。
県下の経済の現状は、景気低迷の長期化の中でますます厳しい状況にあり、新卒者の就職先もままならない極めて深刻な状況となっております。
こうした右肩下がりの時代にあっても、子供たちの保護者の皆さんはだれしも、熊本県内で生まれたならば、熊本を離れなくても働ける職場が欲しいという切実な思いを抱いております。
経国済民は、政治や行政の要諦であり、こうした厳しい時代であればこそ、将来に向けた責任を有する我々が、国内外の現状や熊本が置かれた環境を客観的に分析し、未来社会に向けていかに布石を打つかが問われていると思います。自己決定、自己責任の分権型社会の試金石として、各県の戦略的な取り組みの真価が問われていると思います。
最初に断っておきますが、もとより熊本市だけがひとり勝ちすることを意図しておるわけではありませんし、県土の均衡ある発展と百八十六万県民の福祉の向上を図ることが、県政の重要課題であることに異論はありません。
しかし、現実の姿として、県内経済の中心である熊本市が元気にならずして熊本県の活力は生まれません。熊本市が県経済の大黒柱となって雇用を創出し、また商業活動の中心地、大消費地として大きく発展し、県下全域にその波及効果を及ぼさなくては、熊本県全体が将来的に現状よりもさらに厳しくなることは火を見るよりも明らかであります。
二年前の平成十三年八月末、国の合併支援プランの中で、合併すれば指定要件を人口七十万人程度に弾力化することが公表された折、私はこうした認識に立って、熊本市ではなく、熊本県にとってこれは千載一遇のチャンスが到来したと率直に思いました。
そして、熊本市の政令市移行に関して、平成十四年二月議会、さらに九月議会において、熊本市と周辺町の合併を積極的に進め、熊本市の政令市移行を目指すことが極めて重要であり、そのためには、県としても積極的な推進の役割を果たすべきであると指摘してまいったところであります。
それから既に一年余りが経過し、苦戦する熊本市の一方で、全国的には、本年四月、さいたま市が政令市となり、また平成十七年四月には静岡市の政令市誕生が有力視されているほか、新潟市、浜松市、堺市、岡山市などが、この特例期間中に政令市移行をにらんで周辺市町村との法定協議会等を設置して、着々と具体的な検討に取り組まれております。
こうした地域は、これまでかれこれ十年程度の取り組みを重ねてきた経緯はあるものの、今回の指定要件弾力化を最後のチャンスと受けとめ、県と市がしっかり連携して戦略的な取り組みを進めているのが大きな要因であると受けとめています。
翻って、本県の現状を見ると、残念ながら熊本市には政令市に向けた取り組みの蓄積がなく、また、周辺町は軒並み熊本市とは異なる枠組みか単独志向が基本方針という中で、重要な役割を期待される県も、自主合併を盾に動きを見守っておられることから、動きが顕在化しないままに次々に可能性が消え、最後の益城町の住民投票に望みをつないでいるという現状にあります。
平成十七年三月の合併特例法期限、そして熊本市周辺町の動きから見て、今回が恐らく政令市に関する質問としては最後の機会であり、熊本県の将来にとって、熊本市の政令市移行はプラスなのかマイナスなのか、県ではどのように認識しておられるのか、政令市の是非に関する議論がなされないままに、政令市問題が終息してしまってよいのか、後になってやっぱりあのときに政令市になっておくべきだったと悔やんでも遅いのではないか、最後の再考の期間ではないかと考えております。
改めて申し上げますが、熊本市は、これまで県全体の経済発展の牽引役として重要な役割を担ってきており、政令市移行は単に熊本市だけの問題ではない。本格化する地方分権のもとで、県全体の発展を目指す上で、県として熊本市の政令市移行をどう考えていくのか。合併による財政支援や政令市移行による財政基盤の充実など、目に見える投資だけでも数百億円の効果があり、さらに、政令市というステータスは、目に見えないような民間レベルの投資を呼び込み、その効果ははかり知れないものが考えられるなど、経済的なカンフル剤として大きな効果が期待できるのではないかと考えられます。
そこで、まず、熊本市の政令市移行に関して、総務部長に、地方分権の流れの中で政令市制度をどうとらえておられるのか、伺いたいと思います。
質問:古田勝人 総務部長
地方分権の推進と政令市についてのお尋ねでございます。
地方分権を推進するには、住民に最も身近な市町村に権限と財源を移譲し、自己決定、自己責任を基本とした行政体制を整備するということが重要と考えております。
熊本市は、平成八年に中核市に指定されております。その際、県から、福祉や都市計画関係の分野を中心に、五十二の事務と八百七十六項目の権限移譲が既に行われております。
さらに、政令市になりますと、中核市の事務権限に加えて、国県道の管理や児童相談所の設置等に関する二十七の事務が都道府県から移譲され、その処理に対応した財源等が保障されるなど、ほぼ都道府県と同様の権限を持つ、現行の地方自治制度の中では最も充実した基礎的自治体となるものでございます。
そのような意味では、今回、市町村合併の特例として設けられた政令市指定要件の弾力化を機に、熊本市が政令市の指定の実現に向けて取り組まれていることは、地方分権の大きな流れに沿うものであり、県としても、その意義については十分認識をいたしているところでございます。
とはいえ、現在、周辺町村におきましては、熊本市との合併も含め、地域の将来のあり方について住民発議や住民投票が提起され、議会、住民も交えた活発な議論がなされているところでございますので、県としては、これらの議論の行方を見守っているところでございます。
質問:馬場せいし
ありがとうございました。
ぬかにくぎということもあるかもしれませんが、総務部長の見解でいくと、そういうことから外れられないという部分があるのかもしれません。
今回は、そういった歯がゆい思いもありましたので、総務部だけではなくて、ほかの部の部長さん方にもお聞きさせていただきたいというふうに思っております。しかし、総務部の方も十分理解していただいておるということでありますが、自分たちだけ理解しておってもいかぬわけでありまして、先ほど申し上げましたように、後々、やっぱりそんな説明はなかったぞと言われぬように頑張っていただきたいなというふうに思っております。
企画振興部長にお尋ねでありますけれども、県土全体の発展の観点から、熊本市の政令市移行をどうとらえられているのか、お尋ねをいたします。
また、商工観光労働部長には、県経済の振興という観点から、政令市移行をどうとらえておられるか、お尋ねいたします。
さらに、土木部長には、九州横断道路延岡線や中九州横断道路の高規格幹線道路等の社会資本整備促進という観点から、政令市移行をどうとらえておられるのか、それぞれお尋ねします。
質問:田島淳志 企画振興部長
県土全体の発展と政令市についてのお尋ねでございます。
県では、県土の均衡ある発展と経済活動の県全体の底上げを目指し、熊本都市圏を核として、県内各地域や周辺市町村との交流連携を図っているところでございます。
九州新幹線が全線開通いたしますと、福岡市、熊本市及び鹿児島市の主要都市が短時間で結ばれることから、都市間競争に拍車がかかることが予測されます。
このような状況を踏まえ、県では、熊本駅周辺整備、交通体系の整備、また、中心市街地の活性化、産業振興、教育、福祉サービスの充実など、現在熊本市と共同して取り組んでいるところでございます。
お尋ねの政令市移行につきましては、これを県土全体の発展にどのようにつなげていくか、解決すべき課題があるため、この点につきましては、県土の均衡ある発展との整合を図りつつ検討する必要はございますが、他方、熊本市において、政令市として強いリーダーシップを発揮し、他地域とのパートナーシップを進めていただければ、都市機能の強化とともに、県内各地域の発展に資すると考えております。こうした効果なども含めて、総合的な観点から議論を深めていくことが必要であると考えております。
質問:小山智 商工観光労働部総括審議員
熊本市が政令市に移行することによる地域経済へ与える影響についてでありますが、政令市になることで、都市機能が強化され、九州における拠点性が高まれば、地域経済にとってもプラスの効果はあると考えられております。
都市イメージが向上することにより、コンベンション開催数の増加やこれに関連するサービス業の展開が期待されるところであります。さらに、生活環境の魅力が向上すると、企業で働く人々のメリットともなり得ると考えております。
一方、周辺市町村が熊本市と合併した場合、合併特例法による課税の特例等はあるものの、その地域で操業する企業には、新たに事業所税等の負担が生じるとして、競争力の低下を懸念する声もあります。
いずれにしても、政令市への移行を民間企業等がどのように企業経営に生かしていくかが重要なかぎであると考えております。商工団体の中にも政令市に向けて検討する動きもあり、今後経済界とも十分に論議をしてまいりたいと考えております。
質問:今坂堅三 土木部長
熊本市が九州の中央に位置するという地の利を生かして、今後さらに発展していくためには、九州新幹線や九州縦貫自動車道が着実に整備される中で、九州の横軸となる九州横断自動車道延岡線や中九州横断道路の早期整備が重要な課題であるというふうに考えております。
高速道路等の整備につきましては、現在国で、道路公団民営化や整備効果の評価手法など、さまざまな観点からの議論が進められており、これからの高速道路等の整備は厳しい状況になるものと予想をいたしております。
一般論としてでございますけれども、政令市になることによりまして、現在県が管理しております国道や県道の管理が政令市に移譲され、都市基盤整備が一体的に行われれば都市機能が強化され、熊本市の拠点性が高まり、広域的な交流連携を支える高速道路等の早期整備の必要性が高まることも考えられます。
いずれにいたしましても、これらの道路が整備されることにより、熊本都市圏及び沿線地域の活性化に貢献するものと考えております。
質問:馬場せいし
ありがとうございました。
企画振興部長の方からのお答えでありますけれども、交通体系の整備や中心市街地の活性化など、県、市共同で御努力をいただいておるところでありますが、実行するに当たっては、今のままではもう既に限界を感じている人も多いと思います。やっぱりこれを実現するためには、もう一つパワーアップしなければならないと思っておられるはずであります。
また、商工観光労働部長のお話の中で、やはり事業所税の話が出てまいりましたけれども、これは合併の議論の中である程度解決していくのではないでしょうか。それと新規の進出についても心配される声もありますけれども、周辺自治体にとっては、政令市の周辺ということが、さらに今まで以上に今後の企業進出にはプラスになるというふうに考えるのが普通であるというふうに思っております。県全体としてプラスということになるというふうに思っております。
それから、道路の問題、これはもう先ほどあえて紹介いたしませんでしたけれども、お亡くなりになりました山本靖先生が、本当に中九州横断道路、一生懸命、心血を注いでこられました。また、九州横断道路については、児玉先生、吉本先生を初め、たくさんの先生方が今一生懸命また取り組まれておるところであります。この問題については、やはりどうしても時間が必要な問題でありますけれども、凍結や廃止になったら、これは元も子もないわけであります。
それと、今やっている市町村合併、これは何も市町村側から合併したいといって始まったわけでないことは、皆さん方がよく御承知であるというふうに思います。そういった中で、国の都合の中で、いつの日か県の合併というものも言うてくるかもしれぬと、そのときに熊本県が、相手側からこがん県とは合併せぬちゃよかばいと言われるような県であってはならぬということであります。そのときに、大きな機能を熊本県の中に持って、そして、こういった大分と結ぶ道路でありますとか、宮崎と結ぶ道路でありますとか、そういった道路ができ上がっておって初めて、まだでき上がっておらぬでももうでき上がるばいというところまできとって初めて、本当に熊本が価値が上がるわけであります。
そういった観点から、これはもう言うまでもないことでありますけれども、最後に、知事にお尋ねをいたしたいというふうに思います。
知事は、昨年の二月議会において、私の質問に対しまして「それぞれの市町村における主体的な議論の方向を見きわめ、これに的確に対処していくことが必要であり、ここしばらくは今後の推移を見守ってまいりたいと考えております。」と、慎重な姿勢を示されたところであります。しかし、それ以降、熊本市との合併が予想された市町村の相次ぐ合併枠組みからの離脱、市長交代に伴う熊本市の政令市に対する姿勢の変化等、熊本市を取り巻く環境は大きく変わっております。
そして、現時点ということであります。ここに、ことしの一月六日の知事の念頭のあいさつをいただいておりますけれども、その中で、県政は未来社会からの預かりもの、豊かな熊本づくりを目指しておるというような内容の中で「未来に向かって持続可能な社会をつくり上げ、次の世代に受け継いでいくこと、社会への負荷をできるだけ少なくしていくということ。」「「各県の動向を見て」「各県がどのように動くか」「国がどのように考えるか」このことは、地方分権のなかでは、私たちが、大義名分として、口にすべき言葉ではないと思います。「熊本としてどう考えていくのか」口幅ったく申し上げますならば、熊本に学ぶ県が後に続くという意気高らかな思いで熊本づくりをやっていく、そうした精神が地方分権のなかに息づく「熊本らしさ」を作っていく一歩であると思います。」というようなごあいさつをされております。
そして、現時点において、いよいよ八月の益城町の住民投票次第という状況になっておるところであります。この大詰めを迎えた現時点における総括的な所見を知事にお伺いします。
質問:潮谷義子 知事
政令市問題に関する総合的な所見を求められたところでございますが、ただいま各関係部長が答弁を申し上げましたとおり、熊本市が政令市の指定を受けることで拡大する権限等を生かして、都市圏の社会資本整備に統一的かつ集中的に取り組まれることによって、九州の拠点としての機能がさらに高まり、県内の経済活性化や県土全体の発展につながっていくという、この意義あるいは効果等については県としても十分に認識をしているところです。
しかし、一方、それぞれの答弁の中で触れましたように、課題も指摘されるところでございます。現実問題としては、政令市制度の一般的な意義を踏まえた上で合併の枠組みが固まり、関係市町村間でどのような都市づくりを目指していくのか、それが見えてきた段階でないと、なかなか具体的な検討を進められていかないというところが、この合併を前提としたところの、今回の政令市問題の大変悩ましいところであると、そのように考えております。
くどくなりますけれども、意義や効果、これは十分に認めています。しかし、その一方の中で、合併の枠組みが固まるということが大変大事な要素であるということで、私どもも非常に悩ましい段階にいると申し上げざるを得ません。
馬場議員の、県政全体の発展を図るためには、熊本市の政令市移行を図っていくには、当面は今回がぎりぎりのチャンスであるという強い思いは十分に私も受けとめておりますけれども、一方では、関係団体の意思、この合致がない限りは、なかなか前に進めないというのが合併問題の非常に難しいところでございます。
後々の社会ということを考えてまいりましたときに、本当に熊本県の全体的なバランス、これは私は着実に堅牢に一歩一歩市町村合併等と含めて考えていくことが欠いてはならない、そのように思っております。
県の姿勢は見守りにとどまっているのではないかと、馬場議員に再び指摘されるかもしれませんけれども、ですから、なおのこと、自主合併の推進を基本スタンスとして、状況の推移を見守りながら、これまでも熊本市からの求めに応じて情報提供や広域行政担当部局への職員派遣等、必要な対応を行ってきたところでございます。引き続き、熊本市、そして関係町の要望をしっかりお聞きしながら、県も対応していきたいと考えております。
質問:馬場せいし
ありがとうございました。
随分きょうまでずっと話してまいりまして、もうだんだん力も抜けてまいりました。ただ、本当に受けとめていただきたいのは、私は本当に、最初に申し上げましたように、選挙がどうのこうのではありません。しかし、県政報告と言いながら、あなたは熊本市の話ばかりするなと、至るところで言われました。しかし、これが今熊本県にとって一番大きな問題であります。たくさん問題はあります。たくさん問題はありますけれども、期限がここまで来ているのはこれだけしかないんです。もうあと一カ月しかないんです。後でどんなに頑張ろうとしても、八月から先頑張ろうとしてもどうにもならないわけです。ですから、今は言えないんじゃなくて、今だから言わなきゃいけない、関係団体の合致があるかないか、ないから言わにゃいかぬわけです。あるなら言わぬでよかわけです。ないから、それは何でそういう判断をされとるかということをもうちょっと探らにゃいかぬ。探らなければ、先ほど言うたように感情論だけで終わってしもうとる、そういうことです。
その辺をわかっておるのであれば、十分理解されておるということであれば、熊本市の求めに応じてその情報を提供するということではないというふうに思います。私は、これは県民に対して、熊本県が政令市が必要であるかないかということをきっちりと示していかなきゃいかぬことであります。聞きに来た者にしかしゃべらぬなら、それは百八十六万人のうちの何人が聞くですか。
これは本当に後々――これは要らぬことかもしれませんけれども、熊本県は今までずっと中立というような、自主合併という建前をしっかりと立ててこられました。しかし、いろんな部分で、これは心ない県庁の職員さんが、政令市は熊本市ではだめばいたというような話をたくさん至るところでされますので、全体的には皆さん、県民が思われているのは、県は政令市反対だというようなことをはっきりと感じておられます。しかし、そうではないということだけでも、済みませんが、もう一回打ち消していただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。知事によろしくお願いします。
質問:潮谷義子 知事
今馬場先生は、政令市に向かって熊本市が歩むという、その前提の中で質問もお進めになられたわけですけれども、一方、この政令市には相手方がおります。これも事実でございます。ですから、私どもは、その両方の中で、政令市制度の意義については十分に県としては認識をしている、これは繰り返しになりますけれども、意義は十分に認識をしています。
しかし、ただいま申し上げましたように、その前提として、合併が条件、これは事実でございます。合併の相手方がいる、このことが事実でございます。合併は、関係団体の意思がない限り、なかなか前に進めないというのが難しいところでございます。
今、見守るとか、あるいは政令市として県は一歩踏み出すと、こういう強い意思が県側に必要だと先生はおっしゃいましたけれども、しかし、相手方から、そういった状況を考えてみましたときに、自主合併ということに県は介入しているではないかという、こういった反論が起きてくるのもまた事実でございますので、本当に関係団体の意思の合致がない限り前に進めないと、ここをぜひ御理解をいただきたい。
行政運営は日々判断の積み重ねでありまして、今回の判断もその一つでございます。私といたしましては、そのとき、そのときのぎりぎりの判断として認識しているとしか申し上げようがない、この点をぜひ御理解いただきたいと思います。
質問:馬場せいし
なんば言おうて思ったか、ちょっとわからぬごとなりました。
今申し上げとったのは、十分理解しとるという言葉が、反対しとらぬということを説明しておるんだというようなお話ですかね。
あのですね、それを確認したかったわけです。知事が言うたとか幹部が言うたとか、そういうことではないんです。県が中立というままで、一人一人が違うところで言われると、よくないとか。
実際、この話はデメリット論もあります。しかし、デメリット論をここでどんどん出していただけばよかったですけれども、多分出てこないんです。これは何がデメリットかというと、本当に合併させられる側が嫌なんです。ですから、これは先ほど私も最初に申し上げましたけれども、私は合併させられるという側のお気持ちに対しましては、十分わかるとは申し上げませんけれども、それを踏みにじるような気持ちで、そういったことを申し上げているのではありません。
しかし、先ほど申し上げた――もう何遍も繰り返しになりますので申し上げませんけれども、今のままでも熊本市は大丈夫ばいと言われる方がたくさんいらっしゃいます。熊本市は維持できるというような話がありますけれども、今の規模を熊本市は維持するでしょう。しかし、それはどうやって維持するかというと、熊本市周辺を吸い取りながら維持するんですよ。政令市になったら、よその県から吸収するんですよ。
例えば、たった一つの例になりますけれども、仙台市は一極集中の議論がよくありますけれども、前にこの議会の中でも紹介いたしましたけれども、政令市になって十万ぐらい人間がふえていると思いますが、宮城県内の仙台市以外の人口は変わっておりません。仙台市の周辺からの人口を吸い取った形跡はありません。県外からの人間を吸い上げとるというか、流入させとるということで、仙台が十万人伸びたしこ宮城県は伸びとるわけであります。
そういったことから言うと、政令市になった方が県全体の発展にはプラスになって、今のままの熊本市だったら、極端に言うなら、ずっと周りの養分を吸い上げてしまって熊本市は六十六万を維持するというようなことになりはせんかと。そういったときに、本当に県は、熊本市に対してだけではなくて、周辺にお住まいの方々に、どういった話を後でされるんだろうなというふうな思いでおります。
平行線というか、実際皆さん方、平行線というふうに思っておられると思いますけれども、私は、今回は、お気持ちの中で、言葉になってはおりませんけれども、随分前に進んできたのではないかなというふうな思いでおります。
これは勝手に思わせていただかぬと、もうこの質問は終わられぬわけです。私もほかの質問も用意しておるわけでありますので、全部最後までいってもこのままであるかもしれません。ただ、本当に繰り返し申し上げますけれども、もうあと一カ月しか頑張ることはできないというふうな思いの中で、きょうの質問でありますので、しっかり受けとめていっていただきたい。
それから、熊本市はもう本当にこの時期に来て、市の運営の三本柱の中に政令指定都市というものを旗上げされました。もう本当に今すぐ結論が出るかもしれないときに、こういったものを立ち上げてきたということは、本気でやろうというような思いであるというふうに思います。これまでの取り組みが足らぬだったという話は、もう一回横に置いていただいて、そして、しっかりとそういった話を提供していただきたい、県民に対して提供していただきたいということをお願い申し上げまして、次の質問に入らせていただきます。
JR鹿児島本線等の連続立体交差事業について。
まず、連続立体交差事業の進捗についてお尋ねします。
現在のJR鹿児島本線は、市街地を東西に分断しているため、交差道路は渋滞を招き、都市圏における一体的な都市機能の発展を阻害しています。
このような状況の中で、現在、連続立体交差事業が新幹線建設と同時に進められており、周辺道路の整備、土地区画整理事業などに取り組んでおられます。
連続立体交差については、熊本駅付近の約四キロメートル区間は平成十四年三月に認可を受け、さらに、上熊本駅付近への約二キロメートルの延伸は、平成十五年四月に国から事業採択を受けて取り組まれていると思いますが、進捗状況はどのようになっているか、お尋ねします。
次に、県内企業の受注機会の確保についてお尋ねします。
公共事業が減少する中で、県内企業は、新幹線建設や連続立体交差事業に対する期待は大きなものがあります。現在着実に建設が進められている新幹線の本体工事は、昨年の発注工区すべてに県内企業が参加していると聞いており、県当局の御努力の結果と思います。感謝を申し上げます。
今回のJR鹿児島本線の鉄道高架化工事はJR九州が施行すると聞いておりますが、JR九州が発注する鉄道工事を受注するには、施工実績、経験技術者等の資格条件が求められていることは承知しておりますし、県内企業の技術力の向上といった自助努力は当然としても、その上でぜひ、地方負担に見合う分は県内企業の参加の機会が得られるよう、JR九州に強く要望していくべきだと考えます。
新幹線建設工事に関しては、鉄道建設公団への働きかけが一定の成果を見ていることはさきに述べたとおりであります。しかし、それと同様に、連続立体交差事業についてもJR九州へ強く働きかけ、地元企業の期待にこたえていただくことが必要と考えます。
この点に関する土木部長のお考えをお尋ねします。
質問:今坂堅三 土木部長
まず、連続立体交差事業の進捗についてでございますが、現在、熊本駅付近の鹿児島本線約四キロメートルと豊肥本線約一キロメートルにつきましては、平成十四年三月に事業認可を受け、用地取得を進めており、現在約四〇%の進捗でございます。平成二十八年の完成を目途に、引き続き事業の推進に努めてまいります。
また、上熊本駅付近への約二キロメートル延伸につきましては、平成十五年度の早い時期に事業認可を受け、約四キロメートル区間と合わせ、全体の約六キロメートル区間を一体的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、鉄道高架化事業に係る県内企業の受注機会の確保についてでございますが、連続立体交差事業の鉄道施設工事は、鉄道事業法の定めにより、JR九州が事業主体として施行することになっております。しかし、県といたしましては、厳しい経済状況も踏まえ、県内企業の工事参加が課題というふうに認識しておりまして、これまでも機会あるごとにJR九州に要請を行ってきたところでございます。
営業在来線の施設及び近接工事につきましては、安全性の確保が優先されるということから、軌道工事管理者の配置が求められるなどの課題はございますが、新幹線建設工事への県内企業参入の例もございますので、また、本格的な鉄道工事着手は平成十七年度の予定でありますことから、県といたしましては、引き続き、県内企業の受注機会の確保について、JR九州に対し強く働きかけてまいりたいと思っております。
質問:馬場せいし
きのうの質問の中で、八浪先生の方からもお話がありましたし、これからしっかりと土木部長、まだこれから八浪先生の方がうるさいと思いますので、しっかりと頑張っていただきますようによろしくお願いしておきます。
次の質問に参らせていただきます。
光の森団地へのアクセス道路等熊本市東部の道路整備の取り組みについてお尋ねをいたします。
熊本市の東部地域やその周辺地域では、国体関連施設や免許センターの建設、菊陽・大津方面でのセミコンテクノパークへの企業進出、あるいは大型住宅団地の計画や整備が進んでおり、ますます交通が集中してくることが予想されます。
特に、現在武蔵ヶ丘ニュータウン光の森団地の建設が進んでおりますが、その中を走る県道住吉熊本線は、現在でも朝夕の渋滞がひどい状況が見られますが、豊肥本線をまたぐ跨線橋はそのままにしておかれるのでしょうか。
その対策として、都市計画道路麻生田三里木線が鉄道をまたぐ工事が進められており、平成十六年春には完成すると聞いております。
その場合、麻生田三里木線に乗った車は、国体道路の南北線に抜けることになりますが、現在でも、この南北線においても朝夕の通勤時には大変な混雑を生じており、ここにさらに車が入ってくるということになると、どのような混雑になるのか予想できないところであります。
また、国体道路については、免許センターには一日平均千人が訪れられとると聞いております。ですから、先ほど申し上げましたように、朝夕でありますが、時間帯次第では、もう迂回路としてどうなのかなというぐらい――皆さん方、あの辺が混雑するとは信じられないと思いますけれども、本当に混雑するんです。これは一回見ていただきたいというぐらいの気持ちでおりますが、このように、今後予想される交通渋滞対策として、事業中の国道四四三号がタッチする第一空港線から北川に向けての取り組みも必要だと思いますが、この計画はどうなっておるでしょうか。
さらに、嘉島町の嘉島東部土地区画整理事業の整備計画に関連して計画が進められています六嘉秋津新町線の事業化に向けた取り組みは、今どんな状況になっているんでしょうか。これらの熊本市東部地域の道路整備の取り組みについて、土木部長にお尋ねします。
質問:今坂堅三 土木部長
熊本市東部の道路整備の取り組み状況についてでございますが、まず、光の森団地を通る県道住吉熊本線の渋滞対策としては、豊肥本線をまたぐ橋梁の拡張の可能性についての検討に着手したところでございます。また、住吉熊本線に流入する交通を分散させ、渋滞緩和を図るために、都市計画道路麻生田三里木線の整備を進めております。
さらに、渋滞解消を図るためには、今後、道路の施設整備だけでなく、例えば、JRの新駅設置やパーク・アンド・ライドなどの公共交通利用促進のためのソフト面を含めた取り組みが必要と考えております。
次に、国道四百四十三号についてでございますが、熊本都市圏の南北方向の交通量の増加に対応するために、現在、通称第二空港線から第一空港線までの改良を行っております。また、第一空港線と国体道路東西線を結ぶことにより、交通分散効果や利便性向上を図ることができると考えており、本区間の改良計画の策定に向けて、早期にルート調査等に取り組んでまいります。
最後に、県道六嘉秋津新町線につきましては、昨年から本年にかけまして、県の環境影響評価条例に基づく環境アセスメントの調査を実施中でございます。
今後は、嘉島東部区画整理事業の進捗に合わせ、地域の皆様の御意見を伺いながら、地元嘉島町などの関係機関と連携し、都市計画決定へ向けた作業を進める予定といたしております。
質問:馬場せいし
どうもありがとうございました。
四四三の延伸については、随分しばらく時間がたっておりましたので、今、辛川鹿本線というような話いただきまして、少し見えてきた、おぼろげながらというか、はっきり見えてきたかなというふうな思いでおりますので、今後はまたしっかりと整備の方をよろしくお願いを申し上げておきます。
今後の米政策についてお尋ねを申し上げます。
本県は、全国有数の米生産県で、米は、平たん地から中山間地域まで、水田の約六割に作付されており、水田農業の基幹的な作物であります。
また、近年、品質面でも、県独自品種の開発などにより年々向上しています。しかしながら、我が国の米づくりは、担い手の減少や高齢化が急激に進行する一方で、規模拡大がなかなか進まない状況であります。また、大幅な生産調整の実施にもかかわらず、二百万トンを超える過剰在庫を抱え、米価の下落、低迷が続くなど、出口の見えない閉塞とも言える状況に陥っており、問題が山積しております。
特に、生産調整の推進は限界に近い状況にあります。本県においても、園芸農家などは比較的後継者などに恵まれているのに比べ、稲作農家については、他作物よりも高齢化が進み、米を販売している大きな農家でも、家の後継者はいても米づくりの後継者がいない――これは家の後継者というのは、家には跡取りはおるばってんがサラリーマンということですね。家の後継者はいても米づくりの後継者がいない農家が数多くおられます。
加えて、四割を超える生産調整は、農家経営を圧迫するとともに、米づくり離れにますます拍車をかけ、農家自身は無論のこと、私も米づくりの将来に大きな不安を感じています。
こうした現状を打開すべく、国においては、一年ほどの論議を経て、昨年十二月に米政策改革大綱が制定され、現在食糧法の改正審議が進むなど、これまでの米政策が抜本的に見直され、政策の大転換が図られようとしています。
今回の米改革の内容は、米づくりのあるべき姿の実現を目指し、一層の市場原理の導入を初め、生産者や農業団体主導の生産調整の構築を図るとともに、大規模稲作農家の育成など、構造改革を積極的に進めるといったものであります。また、政策の転換に伴い、これまでの助成金体系も大幅に見直されることとなっております。
つまり、改革のやり方によっては、産地間競争を一層激化させ、安売り合戦などによる米価の下落など、現場に大きな混乱を招く懸念があります。また、地域の実情を無視した拙速な大規模農家の育成は、現実に地域の農業を支えている小規模農家などを切り捨てることになり、地域農業の崩壊にもつながりかねないおそれがあるのではないかと大変心配をしております。
こうした中、農家の皆さんからも、今後も引き続き助成金がもらえるのか、本当に今後とも安定的に米づくりや水田営農に取り組むことができるのかといった不安の声をよく聞きます。
そこで、米政策が大きく転換する中、県として今後どのように米政策を進めていくお考えか、農政部長にお尋ねします。
質問:和田秀雄 農政部長
国の米政策が、生産調整を中心とした米政策から、消費者や市場重視の政策へ転換することを受け、県としては、今後、本県の多様な自然条件や担い手などを最大限に生かしつつ、消費者重視の考えに立って、需要動向に即した売れる米づくりを推進することが重要と考えております。
このため、立地条件を生かした高品質、良食味の米づくりを初め、消費者の関心が高い安全、安心な米をつくる取り組みとしての減農薬栽培や生産履歴記帳等、さらには、近年需要が伸びている外食向けの業務米の生産など、多様な消費者ニーズに対応した米づくりを進めることとしております。
また、稲作の担い手の育成につきましては、大規模な稲作専業農家だけでなく、本県の特色である米と園芸作物や工芸作物等を組み合わせた生産性の高い複合経営、集落ぐるみの取り組みによる集落営農の確立等を推進することが必要であると考えております。
このような考え方を踏まえ、今後の米政策を総合的に進めるための指針の作成に取り組むとともに、市町村、農業団体が年度内に作成する地域水田農業ビジョンづくりなどに対する支援チームを地域振興局に設置し、助言、指導を行うことといたしております。
ただ、こうした取り組みには、引き続き国の支援が必要であり、今回の改革に伴う国の支援策が地域の実態に即したものとなるよう、強く国に働きかけてまいりたいと考えております。
今後とも、こうした取り組みを通じ、本県の特色を生かしながら、農家の皆さん方が安心して米づくりや水田営農に取り組めるように努めてまいります。
質問:馬場せいし
一生懸命取り組んでいただきますようにお願いしておきます。
障害児の教育環境整備について、これは要望でありますけれども、ひのくに養護学校で本当に頑張っておられるところでありますとか、小国養護学校の話でありますとか、少しさせていただこうというふうに思っておりましたけれども、要望のみ話をさせていただきます。
知的障害のある生徒も、いずれは社会に巣立ち、外の風に当たることになります。ある意味、成長してからよりも若いうちの方が強く育つということにつながるのではないかという考え方もあると思います。
そこで、障害者と健常者が一緒に普通高校で学ぶことも考えられてよいのではないだろうかというような話であります。知的障害のある生徒が普通高校への入学を希望する場合は、ほかの生徒たちと同じように入試を受けて入学することはできると思いますが、そうではなくて、特別枠を設けて受け入れるという考えはいかがでしょうか。
現在、大阪府立の高校において、一般の定員とは別に特別の枠を設けて、調査研究を行っていると聞いております。大阪府と本県とでは事情が異なるとは思いますが、生徒や親の気持ちに配慮して、知的障害のある生徒の特別枠を高校につくることは難しいでしょうか。特殊教育の充実とともに、このことについてもお考えいただくよう要望いたしておきます。
そして、安全基準を満たさない外国船舶の入港について、これも要望でありますけれども、最近、拉致や覚せい剤持ち込みの問題が注目を集める中、国においては、外国船舶に対して、いわゆるPSC、ポートステートコントロールによる安全面の検査を厳しく行っております。
検査の結果、安全上重大な問題がある船舶については、京都府の舞鶴港のように出港を差しとめたり、また富山県の富山港のように入港に際して接岸を認めないなどの事例が発生しております。
熊本県においても、国の安全検査が四月以降十四件行われており、航行停止には至らなかったものの、軽微な改善指導が行われたと聞いております。
現在のところ、他の府県のような事態に至っておりませんが、仮に安全面に重大な問題がある船舶が本県の港に入港しようとした場合、その対応について、危機管理の面からも検討しておく必要があるのではないでしょうか。国際間の問題でもあり、難しい対応を迫られる事柄ではありますが、国が行う船舶の安全検査と連携し、港湾の機能確保のため接岸を認めないことも想定し、適切な対応をされるよう要望をいたします。
以上で今回予定しております質問は終わらせていただきますけれども、また最初に戻りますけれども、政令市の問題は、本当に、これはもう九月――今度どうしても質問させていただきたいというふうに手を挙げさせていただきましたのは、もう九月では後の祭りなんです。
最後に、また同じことかもしれませんが、知事もいろんなところで、ごあいさつの中で、新幹線のこれから今後の開通のぐあいについても、やっぱり一回熊本でとめたがよかと、熊本―八代間で一たん開通した方がいいというような話もされとるというやに聞いております。これは、やはり熊本が谷間になってはいかぬというような危機感のあらわれだというふうに思っております。
どうか、先ほどずっと申し上げてまいりましたこと、どうかここにおられる皆さん方全員といいますよりも、県庁全体で受けとめていただいて、あと一カ月間の取り組みを期待させていただきまして、本日の質問を終わらせていただきます。
本日は御清聴ありがとうございました。